時給が上がったけど、週の時間を変えないと年収130万円を超えるかもしれない。超えたら、健康保険の扶養を外れて何が変わる?
この記事で分かること
- 自分に当たるのは、年収130万円の線(年収がいくらを超えると保険料などが変わる線)か、年収150万円の線か、それとも年収の線が無く、自分が働いている会社(勤め先)の社会保険(自分が被保険者になる健康保険と厚生年金)に入るのか
- 同じシフトで年収がいくらになり、扶養を外れると、国民健康保険と国民年金で何が変わるか
- 130万円の内に収める・超える・超えて減った手元に残るお金が130万円のときと同じになるまで働く時間を増やす、の3つの道で、年収・手元に残るお金・週の時間がどう違うか
2026年10月から、最低賃金(時給の下限)が都道府県ごとに上がります。全国平均は 1,121円 → 1,177円(+56円)です。発効日は都道府県ごとに10月1日〜12月2日です(厚生労働省)。時給が上がったのに、週の時間を変えない(同じシフトの)ままだと、健康保険の扶養(被扶養者)を外れるかもしれません。
結論
時給が上がっても週の時間を変えない(同じシフトの)ままだと、年収が130万円の線を超えて、健康保険の扶養(被扶養者)を外れるかもしれません。手元に残るお金は、元より減ります。 配偶者の扶養の39歳以下の人は、東京で 244,666円の減りです。佐賀は、佐賀市が平等割(世帯ごとの定額)を掛けるかで変わり、掛かるなら 242,058円・掛からないなら 200,158円の減りです。親などの扶養の23〜39歳の人は、佐賀で、掛かるなら 27,018円の減り・掛からないなら 14,882円の増えです。佐賀市が国民健康保険に入っていない世帯主のいる世帯に平等割を掛けるかは、公表の資料では決まらず、この記事では市に問い合わせていません(本論4)。
全国平均の時給で、同じシフトの年収は 130万円 → 約136.5万円(+64,942円)になり、見込みの年収が130万円の線(「130万円の壁」とも呼ばれる年収の線)を超えます。扶養の条件(見込みの年収が130万円未満)を満たさなくなります。いつ外れるかは、厚生労働省の Q&A に書かれていません(本論1)。
ここで見るのは、家族(配偶者・親など)の健康保険の扶養に入っているパートの人で、最低賃金ちょうどの時給・年収130万円いっぱいに働いていた人です。「同じシフト」は、今の週の時間を変えず、時給だけが上がることです。
自分に当たる年収の線は、人によって違います。勤め先の社会保険に入る人には、この年収130万円の線は当たりません(週20時間以上の契約で、勤め先が51人以上など。派遣社員は派遣会社。本論1)。23歳以上と18歳以下の年収の線は130万円です。19〜22歳で親などの扶養に入っている人は(配偶者の扶養の人を除く)、年収の線が150万円で、150万円いっぱいに働いていた人は、同じシフトで東京 1,566,069円になり、150万円の年収の線を超えます(本論7)。40〜59歳は、国民健康保険に介護保険料の分が入って多くなります。40〜59歳の、配偶者の扶養に入っている人が同じシフトで働いたときの手元に残るお金は、東京 1,032,984円・佐賀 1,037,289円(佐賀は平等割が掛かるとき)で、扶養のときの手元に残るお金(130万円)より 267,016円・262,711円減ります。表は39歳以下の額です(本論4)。自分の都道府県の年収は、本論2の47都道府県の表にあります。
道は3つあります。130万円の内に収める・同じシフト・手元に残るお金が130万円のときと同じになるまで働く、で、年収・手元に残るお金・週の時間は次のとおりです。
配偶者の扶養の人は、次の東京・佐賀の表です。
配偶者の扶養の人・39歳以下:東京(新宿区の国民健康保険料率)
| 道 | 年収 | 手元に残るお金 | 週の時間 |
|---|---|---|---|
| 同じシフト | 1,357,259円 | 1,055,334円 | 20.39時間 |
| 130万円の内に収める | 1,300,000円 | 1,300,000円 | 19.53時間 |
| 手元に残るお金が130万円のときと同じになるまで働く | 1,630,874円 | 1,300,001円 | 24.50時間 |
配偶者の扶養の人・39歳以下:佐賀(佐賀市の国民健康保険税率)
| 道 | 年収 | 手元に残るお金 | 週の時間 |
|---|---|---|---|
| 同じシフト(平等割が掛かるとき) | 1,382,039円 | 1,057,942円 | 24.27時間 |
| 同じシフト(平等割が掛からないとき) | 1,382,039円 | 1,099,842円 | 24.27時間 |
| 130万円の内に収める | 1,300,000円 | 1,300,000円 | 22.83時間 |
| 手元に残るお金が130万円のときと同じになるまで働く(平等割が掛かるとき) | 1,657,418円 | 1,300,000円 | 29.11時間 |
同じシフトのとき、国民健康保険料は 東京 86,885円・佐賀 109,057円(平等割が掛かるとき。掛からないとき 67,157円)、国民年金保険料は 215,040円で、手元に残るお金が減る額(元の手元に残るお金 − 同じシフトの手元に残るお金)は 東京 244,666円・佐賀 242,058円(掛からないとき 200,158円)です(本論4)。
手元に残るお金と元の手元に残るお金は、次の式で決めます。
手元に残るお金 = 年収 − 自分が払う国民健康保険料 − 自分が払う国民年金保険料(年 215,040円)
元の手元に残るお金 = 扶養のときの手元に残るお金(扶養のときに自分で払っていた保険料だけを引く)
配偶者の扶養の人は、扶養のあいだ国民健康保険料も国民年金保険料も払わないので、元の手元に残るお金は年収と同じ130万円です。「手元に残るお金が130万円のときと同じになるまで働く」道で週の契約を20時間以上にすると、勤め先が51人以上などの人は、勤め先の社会保険に入ります(本論1・5)。表の例は、前の時給で年収130万円ちょうどになる人(東京 週20.39時間・佐賀 週24.27時間)が、その時間をそのまま働いたときの額です。週20時間を超えますが、勤め先が50人以下などで勤め先の社会保険に入らない人の例です。
親などの扶養の人は、同じシフトで増えるのは国民健康保険料だけです。国民年金保険料は、扶養の前後で変わりません。20歳以上の人は、扶養のときから国民年金の第1号被保険者(自営業の人や学生などが、自分で保険料を払う区分)に入り、本人が払っているからです(学生納付特例などの手続きをした人を除く)。
| 区分 | 同じシフトの年収 | 国民健康保険料(年間) | 元の手元に残るお金 | 同じシフトの手元に残るお金 | 減る額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 23〜39歳・東京 | 1,357,259円 | 86,885円 | 1,084,960円 | 1,055,334円 | 29,626円 |
| 23〜39歳・佐賀(平等割が掛かるとき) | 1,382,039円 | 109,057円 | 1,084,960円 | 1,057,942円 | 27,018円 |
| 23〜39歳・佐賀(平等割が掛からないとき) | 1,382,039円 | 67,157円 | 1,084,960円 | 1,099,842円 | 増える 14,882円 |
| 20〜22歳・東京 | 1,566,069円 | 108,977円 | 1,284,960円 | 1,242,052円 | 42,908円 |
| 20〜22歳・佐賀(平等割が掛かるとき) | 1,594,660円 | 134,784円 | 1,284,960円 | 1,244,836円 | 40,124円 |
| 20〜22歳・佐賀(平等割が掛からないとき) | 1,594,660円 | 92,884円 | 1,284,960円 | 1,286,736円 | 増える 1,776円 |
| 19歳・東京 | 1,566,069円 | 108,977円 | 1,500,000円 | 1,457,092円 | 42,908円 |
| 19歳・佐賀(平等割が掛かるとき) | 1,594,660円 | 134,784円 | 1,500,000円 | 1,459,876円 | 40,124円 |
| 19歳・佐賀(平等割が掛からないとき) | 1,594,660円 | 92,884円 | 1,500,000円 | 1,501,776円 | 増える 1,776円 |
表の年収の線は、23歳以上(59歳まで)と18歳以下が130万円、19〜22歳が150万円なので、この表は、23〜39歳は年収130万円いっぱい、19〜22歳は年収150万円いっぱいに働いていた人の、同じシフトです(40〜59歳は表の下、19〜22歳の年収の線は本論1・7)。
手元に残るお金は本人の分です。年収が136万円を超えると、扶養している親などの税が増えることがあります(表には入れていません。決まりは本論1)。段階で減る特別控除があるのは19〜22歳の人だけです(本論1)。23〜59歳は、東京・佐賀とも元の手元に残るお金に戻る年収で136万円を超えます(佐賀は同じシフトでも超えます)。
130万円〔19〜22歳は150万円〕の内に収める週の時間は、23〜39歳が 東京 19.53時間・佐賀 22.83時間、19〜22歳が 東京 22.54時間・佐賀 26.34時間です(本論7)。元の手元に残るお金に戻る年収は、19〜22歳が 東京 1,614,054円(週24.25時間)・佐賀 1,640,308円(平等割が掛かるとき。週28.81時間)です(週の時間は、年収 ÷ 新しい時給 ÷ 52週)。
親などの扶養の40〜59歳は、国民健康保険に介護保険料の分が入ります(本論4)。同じシフトの手元に残るお金は 東京 1,032,984円・佐賀 1,037,289円で、元の手元に残るお金(1,084,960円)より 51,976円・47,671円減り、元の手元に残るお金に戻る年収は 東京 1,417,009円(週21.29時間)・佐賀 1,437,600円(週25.25時間)です(佐賀は平等割が掛かるときの額)。
行ごとの元の手元に残るお金は、23歳以上は 130万円 − 国民年金保険料 215,040円、20〜22歳は 150万円 − 215,040円、19歳は国民年金保険料がないので 150万円です。元の手元に残るお金に戻る年収は、23〜39歳で 東京 1,390,391円(週20.89時間)・佐賀 1,412,776円(週24.81時間)です。年齢は、扶養の認定を受ける年の12月31日に何歳かで決まります。国民年金保険料は20歳になった月から払うので、20〜22歳の行は、年のはじめから20歳以上だった人の額です。18歳以下は、国民年金の第1号被保険者に入らないので、元の手元に残るお金は130万円です。学生納付特例・免除の手続きをした人は、この計算に入れていません。
※表の年収は、上がった時給で同じ時間を1年働いたとして当メディアが計算した額です。扶養の年収の線は「130万円未満」です。表は、130万円ちょうどの年収として計算しています。税(所得税・住民税)は入れていません(本人の住民税を入れた試算は本論4)。国民健康保険の前提:世帯主は勤め先の健康保険に入る会社員で、本人だけが国民健康保険・39歳以下・軽減なし。佐賀は、条例が国民健康保険に入っていない世帯主のいる世帯にも課税する(1条2項)と定めていますが、そうした世帯に平等割を掛けるかを明言した文は条例にないので、掛かるとき・掛からないときの2つを並べています(本論4の断定できないこと)。確かめるには佐賀市への問い合わせが要りますが、この記事では問い合わせていません。東京は新宿区・佐賀は佐賀市の令和8年度(2026年度)の料率です。当メディアの試算です。
では、自分にどの年収の線が当たるかは、どう確かめればいいのでしょう?
1. 自分に当たる年収の線は、働き方と家族の保険で決まる
「年収の線」とは、収入がある額を超えると、保険料や税のかかり方が変わる額のことです。自分に当たる保険の線は1つで、働き方と家族の保険で決まります。
あなたに当たる「年収の線」は?(上から順に答える。勤め先の社会保険が先)
| 順番 | 質問 | 「はい」なら |
|---|---|---|
| 1 | 3つとも当てはまる? 勤め先51人以上・週の所定労働時間20時間以上・学生でない | 年収の線なし(勤め先の社会保険に入る) |
| 2 | 週・月の所定労働が、通常の労働者の4分の3以上? | 年収の線なし(勤め先の社会保険に入る) |
| 3 | 19〜22歳で、(配偶者以外の)家族の健康保険の扶養に入っている? | 150万円未満 |
| 4 | 配偶者や親などの健康保険の扶養に入っている? | 130万円未満(見込み) |
自分に当たる年収の線は1つ。4つとも「いいえ」のときは、下の表で確かめる
| 立場 | 保険の線 | 超えたとき・当たるとき | 2026年に変わった所 |
|---|---|---|---|
| 配偶者や親などの健康保険の扶養に入っている(派遣社員は、勤め先=派遣会社)。19歳以上23歳未満は次の行 | 年間収入 130万円未満(見込み) | 扶養を外れる。勤め先の社会保険に入らないなら、住所のある市区町村の国民健康保険に入る。国民年金保険料は、配偶者の扶養だった人は国民年金の第1号被保険者に自分で入る。親などの扶養だった23歳以上〔59歳まで〕の人は、扶養のときから国民年金の第1号被保険者で、本人が払っている | 2026年4月1日以降の認定からは、労働条件通知書などの賃金から見込む年収(130万円未満など)でも判定できる(「給与収入のみ」の申立書が要る) |
| 19歳以上23歳未満(配偶者を除く)で、親などの健康保険の扶養に入っている | 年間収入 150万円未満 | 同じ。20〜22歳は、扶養のときから国民年金の第1号被保険者として、保険料を本人が払っている | 2025年10月1日から、130万円 → 150万円 |
| 勤め先が51人以上・週の所定労働時間が20時間以上・学生ではない | 年収の線なし。勤め先の社会保険に入る | 賃金の要件(月8.8万円。年収にして106万円の目安)は 2026年10月1日に撤廃。勤め先の人数の要件は 2027年10月から36人以上。撤廃のあとも残る例外が1つあり、最低賃金の減額特例の許可を受けていて月8.8万円未満の人は例外(申し出れば入れる) | 賃金の要件の撤廃 |
| 週の所定労働時間と月の所定労働日数が、勤め先の通常の労働者の4分の3以上 | 年収の線なし。勤め先の人数に関係なく社会保険に入る | — | — |
60歳以上(と障害のある人)の被扶養者の年収の線は 180万円未満です。60歳以上は国民年金の第1号被保険者には入りません。
税の線は、保険の線とは別です(2026年分。給与収入だけの場合)。保険の線を超えると、本人が国民健康保険の保険料を(配偶者の扶養だった人は国民年金保険料も)払うようになります(上の表)。税の線は、扶養している人の税の控除と、本人の所得税のことです。税の扶養(配偶者控除・扶養控除)を外れると、あなたを扶養している親・配偶者は、その控除が受けられなくなります。配偶者と19〜22歳の親族には、控除が段階で減る特別控除があるので、税はすぐには増えず、収入がさらに増えると段階で増えます。本人に所得税がかかり始める水準は 178万円(単身・社会保険料控除を含まない)です。扶養している人の控除は、配偶者控除が配偶者の給与収入 136万円以下、配偶者特別控除は 136万円超 207万円以下(控除額は満額が続いたあと、段階で減る)。19〜22歳の親族の、扶養控除は 136万円以下、特定親族特別控除(19〜22歳の親族を扶養する人の税の控除)は 136万円超 197万円以下(満額が続いたあと、段階で減る)です。「扶養の範囲で」と言われたら、保険の130万円のことか、税の136万円のことかを確かめてください。
最低賃金ちょうどの時給で年収130万円いっぱいに働くと、週の時間は 20.4〜24.4時間(47都道府県)で、全都道府県で20時間を超えます(年収÷時給で出した時間です)。契約の所定労働時間が週20時間以上で、勤め先が51人以上、学生でないなら、130万円の前に、もう勤め先の社会保険に入っています。年収130万円の線が当たるのは、勤め先が50人以下の人(任意で加入する事業所を除く)、週の所定労働時間が20時間未満の契約の人、学生の人などです。契約で見込む判定(下の「いつ判定されるか」)では、契約に書いた時間 × 上がった後の時給で130万円を超えるかで見ます。勤め先が51人以上などの条件を満たす人は、契約の所定が週20時間未満でも、実際の労働時間が連続2か月で週20時間以上になり、その状態が続く見込みなら、週20時間以上になった月から数えて3か月目の初日に勤め先の社会保険に入ります(日本年金機構 事務ポイント Vol.7)。
自分に当たる年収の線の確かめ方
- 契約の週の所定労働時間:雇用契約書や就業規則に書かれた、通常の週に働く時間です(厚生労働省の社会保険適用拡大特設サイト)。労働基準法は、会社が契約のときに、始業・終業の時刻などの労働条件を書面で示すと定めています(労働基準法15条1項・施行規則5条)。「シフト制による」などで週の時間が書かれていないときは、扶養の年間収入を契約で見込む判定が使えない例に当たります(下の「いつ判定されるか」)。そのときは勤め先に確かめます。
- 勤め先が51人以上などの対象か:日本年金機構の適用事業所検索システムで、勤め先の名称・所在地・法人番号から探せます。結果の「適用拡大の事業所」の欄に「該当」と出れば、特定適用事業所(51人以上などの勤め先)などに当たります。被保険者数は検索結果の事業所ごとの欄に出ますが、特定適用事業所かは、企業(同じ法人番号)の厚生年金の被保険者の総数で決まります
年収の線の内に収めようと働く時間や日数を調整することを、就業調整と言います。就業調整をしている人は、非正規の職員・従業員とフリーランスで 549.7万人です(就業構造基本調査 2022年10月)。この数は就業調整をしている人の数で、今回の時給の上がりで年収の線を超える人の数ではありません。
いつ判定されるか
- 被扶養者になれる条件は、130万円未満だけではありません。日本年金機構の概要では、①見込まれる年間収入が130万円未満(60歳以上・障害のある人は180万円、19歳以上23歳未満は150万円)、②ほかの収入が見込まれない、③同じ世帯なら被保険者の年間収入の2分の1未満(別世帯なら被保険者からの援助額より少ない)を満たすとき、原則として被扶養者として扱います。この記事は、扶養している人(配偶者・親など)が会社員で、その収入が大きい世帯を前提にしています
- 年の途中:認定日が2026年4月1日以降のものは、労働条件通知書などの賃金(時給・時間・日数・諸手当・賞与)から見込む年間収入が130万円未満でも判定できます(給与収入のみの申立書が要る)。厚生労働省 Q&A の Q9 は、労働契約の更新や労働条件の変更があった都度、書面などの提出を求めるとしています(Q&A は、時給の変更がこれに当たるとは書いていません)。「シフト制による」と書いてあるなど労働時間が不明確なとき、契約期間が1年に満たないとき、手当の金額が不明確なときは、この見込みの扱いが使えない例に挙がっています(厚生労働省 Q&A・日本年金機構)
- 認定のあとに年収が130万円以上と分かったとき:
- 取り消さない場合:契約にない時間外の賃金など、当初想定されなかった臨時収入によって、結果的に130万円以上になったときで、その臨時収入が社会通念上妥当な範囲にとどまるなら、取り消す必要はありません。契約に明確な規定がなく、契約の段階で見込みにくい時間外労働の賃金は、年間収入に含まない臨時収入とされています(厚生労働省 Q&A の Q8・Q1)
- 取り消す場合:臨時収入の支給を前提に、通知書などで賃金や労働時間を不当に低く書いていたと分かった場合など、社会通念上妥当な範囲を超えて130万円を大きく上回るときは、取り消してよいとされています(Q8)。恒常的な時間外労働で超えて、妥当な範囲を超えると判断されたときは、確認を行った日以降が対象で、遡りません(Q8-2)。認定時に出した通知書などの記載に誤りがあったときは、認定時に遡って取り消します(Q8-3)
- Q&A に書かれていないこと:契約の外の追加シフトが、臨時収入に当たるか
- 時給が上がった場合:上がった後の時給で、契約の時間 × 時給が130万円以上になる人は、Q8 の臨時収入ではなく、見込みの年収そのものが年収の線を超えます(上の「契約で見込む判定」)
- 毎年の再確認:協会けんぽは、被扶養者の資格を毎年確認します。令和8年度(2026年度)は、令和7年中(2025年中)の課税収入が130万円を超えた被扶養者が対象の1つで、10月下旬〜11月中旬に勤め先へリストが届き、提出期限は12月11日です。この条件からは、18歳未満(協会けんぽ本部のページでは令和8年4月1日時点で18歳未満)と、2026年4月1日以降に認定された人(大分支部の告知)は除かれます。健康保険組合も、健康保険法施行規則50条で、被扶養者の確認を毎年一定の期日を定めてすることができ、対象の線は、たとえば出版健保(令和7年度は令和6年中の収入が130万円超などの人)と神奈川県医療従事者健保(令和6年度は事業所番号と認定日で決めた対象)で違います(施行規則50条は対象の範囲を定めていません)。昔から扶養に入っている人も、この再確認の対象になりえます。この年の対象(課税収入の条件)になるかは、令和7年中(2025年中)の課税収入で決まるので、2026年10月からの時給の上がりは、この対象の判定には入りません。リストに載ったあとに何を確かめるかは、告知に書かれていません(大分支部の告知)。上がった後の時給で見込む判定は、2026年4月1日以降の認定や、契約の更新・変更で書類を出すときの話です(上の Q9)
2. 同じシフトのままだと、新しい時給で年収はいくらになるか
同じシフトの年収 = 今の年収 × 新しい時給 ÷ 前の時給
130万円を超える額 = 同じシフトの年収 − 130万円
- 全国平均:1,300,000 × 1,177 ÷ 1,121 = 1,364,942円(+64,942円)
- 東京:1,300,000 × 1,280 ÷ 1,226 = 1,357,259円(+57,259円)
- 佐賀:1,300,000 × 1,095 ÷ 1,030 = 1,382,039円(+82,039円)
これは、130万円いっぱいに働いていた人の年換算です。自分の都道府県の1行だけ見れば足ります。「今の週の時間」は 130万円 ÷ 前の時給 ÷ 52週、「内に収めるなら減る週の時間」は、今の時間 × 引上げ率 ÷(1+引上げ率)です。
自分の都道府県の年収(同じシフトのまま働いたとき。最低賃金ちょうどで130万円の人)
| 都道府県 | 最低賃金(改定前→改定後) | 同じシフトの年収 | 130万円を超える額 |
|---|---|---|---|
| 全国加重平均 | 1,121→ | 1,364,942円 | 64,942円 |
| 北海道 | 1,075→ | 1,367,721円 | 67,721円 |
| 青森 | 1,029→ | 1,377,065円 | 77,065円 |
| 岩手 | 1,031→ | 1,374,394円 | 74,394円 |
| 宮城 | 1,038→ | 1,375,145円 | 75,145円 |
| 秋田 | 1,031→ | 1,374,394円 | 74,394円 |
| 山形 | 1,032→ | 1,375,581円 | 75,581円 |
| 福島 | 1,033→ | 1,376,767円 | 76,767円 |
| 茨城 | 1,074→ | 1,375,047円 | 75,047円 |
| 栃木 | 1,068→ | 1,369,382円 | 69,382円 |
| 群馬 | 1,063→ | 1,369,708円 | 69,708円 |
| 埼玉 | 1,141→ | 1,362,664円 | 62,664円 |
| 千葉 | 1,140→ | 1,362,719円 | 62,719円 |
| 東京 | 1,226→ | 1,357,259円 | 57,259円 |
| 神奈川 | 1,225→ | 1,357,306円 | 57,306円 |
| 新潟 | 1,050→ | 1,371,810円 | 71,810円 |
| 富山 | 1,062→ | 1,369,774円 | 69,774円 |
| 石川 | 1,054→ | 1,372,770円 | 72,770円 |
| 福井 | 1,053→ | 1,372,840円 | 72,840円 |
| 山梨 | 1,052→ | 1,375,380円 | 75,380円 |
| 長野 | 1,061→ | 1,368,615円 | 68,615円 |
| 岐阜 | 1,065→ | 1,368,357円 | 68,357円 |
| 静岡 | 1,097→ | 1,367,548円 | 67,548円 |
| 愛知 | 1,140→ | 1,362,719円 | 62,719円 |
| 三重 | 1,087→ | 1,366,973円 | 66,973円 |
| 滋賀 | 1,080→ | 1,367,407円 | 67,407円 |
| 京都 | 1,122→ | 1,367,201円 | 67,201円 |
| 大阪 | 1,177→ | 1,359,643円 | 59,643円 |
| 兵庫 | 1,116→ | 1,365,233円 | 65,233円 |
| 奈良 | 1,051→ | 1,369,267円 | 69,267円 |
| 和歌山 | 1,045→ | 1,369,665円 | 69,665円 |
| 鳥取 | 1,030→ | 1,375,728円 | 75,728円 |
| 島根 | 1,033→ | 1,374,250円 | 74,250円 |
| 岡山 | 1,047→ | 1,370,774円 | 70,774円 |
| 広島 | 1,085→ | 1,367,097円 | 67,097円 |
| 山口 | 1,043→ | 1,372,291円 | 72,291円 |
| 徳島 | 1,046→ | 1,370,841円 | 70,841円 |
| 香川 | 1,036→ | 1,370,270円 | 70,270円 |
| 愛媛 | 1,033→ | 1,375,508円 | 75,508円 |
| 高知 | 1,023→ | 1,380,059円 | 80,059円 |
| 福岡 | 1,057→ | 1,370,104円 | 70,104円 |
| 佐賀 | 1,030→ | 1,382,039円 | 82,039円 |
| 長崎 | 1,031→ | 1,370,611円 | 70,611円 |
| 熊本 | 1,034→ | 1,372,921円 | 72,921円 |
| 大分 | 1,035→ | 1,376,618円 | 76,618円 |
| 宮崎 | 1,023→ | 1,378,788円 | 78,788円 |
| 鹿児島 | 1,026→ | 1,381,092円 | 81,092円 |
| 沖縄 | 1,023→ | 1,380,059円 | 80,059円 |
注:年収=130万円×新しい時給÷前の時給。超える額=年収−130万円(当メディアの計算)。最低賃金は厚生労働省 令和8年度答申。発効日は都道府県ごとに10月1日〜12月2日(下の「47都道府県の時給と発効日を文字で見る」)
47都道府県の時給と発効日を文字で見る
| 都道府県 | 時給(前→後) | 引上げ率 | 発効日 |
|---|---|---|---|
| 全国加重平均 | 1,121→ | 5.0% | — |
| 北海道 | 1,075→ | 5.2% | 10月1日 |
| 青森 | 1,029→ | 5.9% | 10月29日 |
| 岩手 | 1,031→ | 5.7% | 12月1日 |
| 宮城 | 1,038→ | 5.8% | 10月1日 |
| 秋田 | 1,031→ | 5.7% | 10月14日 |
| 山形 | 1,032→ | 5.8% | 10月30日 |
| 福島 | 1,033→ | 5.9% | 10月16日 |
| 茨城 | 1,074→ | 5.8% | 10月18日 |
| 栃木 | 1,068→ | 5.3% | 10月1日 |
| 群馬 | 1,063→ | 5.4% | 10月3日 |
| 埼玉 | 1,141→ | 4.8% | 10月1日 |
| 千葉 | 1,140→ | 4.8% | 10月1日 |
| 東京 | 1,226→ | 4.4% | 10月1日 |
| 神奈川 | 1,225→ | 4.4% | 10月1日 |
| 新潟 | 1,050→ | 5.5% | 10月1日 |
| 富山 | 1,062→ | 5.4% | 10月1日 |
| 石川 | 1,054→ | 5.6% | 10月3日 |
| 福井 | 1,053→ | 5.6% | 10月4日 |
| 山梨 | 1,052→ | 5.8% | 11月1日 |
| 長野 | 1,061→ | 5.3% | 10月2日 |
| 岐阜 | 1,065→ | 5.3% | 10月1日 |
| 静岡 | 1,097→ | 5.2% | 10月15日 |
| 愛知 | 1,140→ | 4.8% | 10月1日 |
| 三重 | 1,087→ | 5.2% | 10月1日 |
| 滋賀 | 1,080→ | 5.2% | 10月3日 |
| 京都 | 1,122→ | 5.2% | 11月16日 |
| 大阪 | 1,177→ | 4.6% | 10月1日 |
| 兵庫 | 1,116→ | 5.0% | 10月1日 |
| 奈良 | 1,051→ | 5.3% | 10月4日 |
| 和歌山 | 1,045→ | 5.4% | 10月3日 |
| 鳥取 | 1,030→ | 5.8% | 10月3日 |
| 島根 | 1,033→ | 5.7% | 10月10日 |
| 岡山 | 1,047→ | 5.4% | 10月2日 |
| 広島 | 1,085→ | 5.2% | 10月11日 |
| 山口 | 1,043→ | 5.6% | 10月8日 |
| 徳島 | 1,046→ | 5.4% | 11月1日 |
| 香川 | 1,036→ | 5.4% | 10月1日 |
| 愛媛 | 1,033→ | 5.8% | 11月1日 |
| 高知 | 1,023→ | 6.2% | 10月29日 |
| 福岡 | 1,057→ | 5.4% | 10月4日 |
| 佐賀 | 1,030→ | 6.3% | 11月15日 |
| 長崎 | 1,031→ | 5.4% | 11月2日 |
| 熊本 | 1,034→ | 5.6% | 12月1日 |
| 大分 | 1,035→ | 5.9% | 11月1日 |
| 宮崎 | 1,023→ | 6.1% | 10月24日 |
| 鹿児島 | 1,026→ | 6.2% | 10月25日 |
| 沖縄 | 1,023→ | 6.2% | 12月2日 |
47都道府県の年収と週の時間を文字で見る
| 都道府県 | 同じシフトの年収 | 130万円を超える額 | 今の週の時間 | 内に収めるなら減る週の時間 |
|---|---|---|---|---|
| 全国加重平均 | 1,364,942円 | 64,942円 | 22.30時間 | 1.06時間 |
| 北海道 | 1,367,721円 | 67,721円 | 23.26時間 | 1.15時間 |
| 青森 | 1,377,065円 | 77,065円 | 24.30時間 | 1.36時間 |
| 岩手 | 1,374,394円 | 74,394円 | 24.25時間 | 1.31時間 |
| 宮城 | 1,375,145円 | 75,145円 | 24.08時間 | 1.32時間 |
| 秋田 | 1,374,394円 | 74,394円 | 24.25時間 | 1.31時間 |
| 山形 | 1,375,581円 | 75,581円 | 24.22時間 | 1.33時間 |
| 福島 | 1,376,767円 | 76,767円 | 24.20時間 | 1.35時間 |
| 茨城 | 1,375,047円 | 75,047円 | 23.28時間 | 1.27時間 |
| 栃木 | 1,369,382円 | 69,382円 | 23.41時間 | 1.19時間 |
| 群馬 | 1,369,708円 | 69,708円 | 23.52時間 | 1.20時間 |
| 埼玉 | 1,362,664円 | 62,664円 | 21.91時間 | 1.01時間 |
| 千葉 | 1,362,719円 | 62,719円 | 21.93時間 | 1.01時間 |
| 東京 | 1,357,259円 | 57,259円 | 20.39時間 | 0.86時間 |
| 神奈川 | 1,357,306円 | 57,306円 | 20.41時間 | 0.86時間 |
| 新潟 | 1,371,810円 | 71,810円 | 23.81時間 | 1.25時間 |
| 富山 | 1,369,774円 | 69,774円 | 23.54時間 | 1.20時間 |
| 石川 | 1,372,770円 | 72,770円 | 23.72時間 | 1.26時間 |
| 福井 | 1,372,840円 | 72,840円 | 23.74時間 | 1.26時間 |
| 山梨 | 1,375,380円 | 75,380円 | 23.76時間 | 1.30時間 |
| 長野 | 1,368,615円 | 68,615円 | 23.56時間 | 1.18時間 |
| 岐阜 | 1,368,357円 | 68,357円 | 23.47時間 | 1.17時間 |
| 静岡 | 1,367,548円 | 67,548円 | 22.79時間 | 1.13時間 |
| 愛知 | 1,362,719円 | 62,719円 | 21.93時間 | 1.01時間 |
| 三重 | 1,366,973円 | 66,973円 | 23.00時間 | 1.13時間 |
| 滋賀 | 1,367,407円 | 67,407円 | 23.15時間 | 1.14時間 |
| 京都 | 1,367,201円 | 67,201円 | 22.28時間 | 1.10時間 |
| 大阪 | 1,359,643円 | 59,643円 | 21.24時間 | 0.93時間 |
| 兵庫 | 1,365,233円 | 65,233円 | 22.40時間 | 1.07時間 |
| 奈良 | 1,369,267円 | 69,267円 | 23.79時間 | 1.20時間 |
| 和歌山 | 1,369,665円 | 69,665円 | 23.92時間 | 1.22時間 |
| 鳥取 | 1,375,728円 | 75,728円 | 24.27時間 | 1.34時間 |
| 島根 | 1,374,250円 | 74,250円 | 24.20時間 | 1.31時間 |
| 岡山 | 1,370,774円 | 70,774円 | 23.88時間 | 1.23時間 |
| 広島 | 1,367,097円 | 67,097円 | 23.04時間 | 1.13時間 |
| 山口 | 1,372,291円 | 72,291円 | 23.97時間 | 1.26時間 |
| 徳島 | 1,370,841円 | 70,841円 | 23.90時間 | 1.24時間 |
| 香川 | 1,370,270円 | 70,270円 | 24.13時間 | 1.24時間 |
| 愛媛 | 1,375,508円 | 75,508円 | 24.20時間 | 1.33時間 |
| 高知 | 1,380,059円 | 80,059円 | 24.44時間 | 1.42時間 |
| 福岡 | 1,370,104円 | 70,104円 | 23.65時間 | 1.21時間 |
| 佐賀 | 1,382,039円 | 82,039円 | 24.27時間 | 1.44時間 |
| 長崎 | 1,370,611円 | 70,611円 | 24.25時間 | 1.25時間 |
| 熊本 | 1,372,921円 | 72,921円 | 24.18時間 | 1.28時間 |
| 大分 | 1,376,618円 | 76,618円 | 24.15時間 | 1.34時間 |
| 宮崎 | 1,378,788円 | 78,788円 | 24.44時間 | 1.40時間 |
| 鹿児島 | 1,381,092円 | 81,092円 | 24.37時間 | 1.43時間 |
| 沖縄 | 1,380,059円 | 80,059円 | 24.44時間 | 1.42時間 |
なお、パートで就業時間を「増やしたい」と答えた人は 111.4万人(パートの有業者の 10.75%)です。就業調整をしている人に限った数ではありません(就業構造基本調査 2022年10月)。
3. 130万円の内に収めるために減らす時間は、元の時給と引上げ率の両方で都道府県ごとに違う
130万円を超える額は、式を変えると、130万円 × 引上げ率です(引上げ率 =(新しい時給 − 前の時給)÷ 前の時給)。東京は 1,300,000 × 54 ÷ 1,226 = 57,259円(引上げ率 4.4%)、佐賀は 1,300,000 × 65 ÷ 1,030 = 82,039円(6.3%)です。
130万円の内に収めるために減る時間は、前の時給が低いほど、130万円までの時間が長いので、引上げ率が同じでも長くなります。
| 今の年の時間(上がる前の時給で) | 内に収める年の時間(上がった後の時給で) | 減る時間 | 週(今 → 内に収める) | |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 1,060.4時間 | 1,015.6時間 | 44.7時間 | 20.39 → 19.53(−0.86時間) |
| 佐賀 | 1,262.1時間 | 1,187.2時間 | 74.9時間 | 24.27 → 22.83(−1.44時間) |
差は、時給が低くて130万円までの時間が長いことと、引上げ率が高いことの、両方から出ます。
4. 超えたら、国民健康保険と国民年金で年にいくら払うか(39歳以下)
この節の計算は、配偶者の扶養に入っていた人の場合です。親などの扶養に入っていた23〜39歳の人は、国民年金保険料が変わらないので、国民健康保険料だけです(東京 86,885円・佐賀 109,057円)。19〜22歳は本論7です。
入る保険の決まり
- 勤め先の健康保険の被保険者でも被扶養者でもない人は、住所のある市区町村の国民健康保険に入ります(国民健康保険法5条・6条)
- 20歳以上60歳未満で、第2号被保険者(会社員など)でも、第2号被保険者の被扶養配偶者(第3号被保険者)でもない人は、国民年金の第1号被保険者です(国民年金法7条1項)。第3号被保険者は、第2号被保険者の配偶者だけです
払う額
国民年金保険料(年間)= 17,920円 × 12 = 215,040円(令和8年度=2026年度)
国民健康保険料(年間)= 均等割 + 平等割 + 所得割
所得割 = 算定基礎額 × 率
算定基礎額 = 給与収入 − 給与所得控除 74万円 − 基礎控除 43万円
(39歳以下・介護保険料の分なし。新しい時給で働く年の所得として給与所得控除は最低保障の74万円〔令和8年分(2026年分)・令和9年分〕。料率は令和8年度〔2026年度〕のまま。平等割は佐賀市だけ。令和10年分〔2028年分〕以後は給与所得控除が5万円下がり、国民健康保険料が年5,000〜6,000円ほど増えます)
| 同じシフトの年収で | 均等割 | 平等割 | 所得割(算定基礎額 × 率) | 国民健康保険料 計 | 国民年金保険料 | 保険料の負担の合計 | 手元に残るお金(年収 − 負担) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京(新宿区の料率)1,357,259円 | 67,073円 | なし | 187,259円 × | 86,885円 | 215,040円 | 301,925円 | 1,055,334円 |
| 佐賀(佐賀市の料率・平等割が掛かるとき)1,382,039円 | 41,500円 | 41,900円 | 212,039円 × | 109,057円 | 215,040円 | 324,097円 | 1,057,942円 |
| 佐賀(同・平等割が掛からないとき)1,382,039円 | 41,500円 | なし | 212,039円 × | 67,157円 | 215,040円 | 282,197円 | 1,099,842円 |
(東京は新宿区の令和8年度(2026年度)の保険料、佐賀は佐賀市の令和8年度の保険税。率と均等割は、医療分・支援金分・子ども・子育て支援金分の合計)
前提:世帯主が会社員で、軽減なし
- 世帯主が会社員でも、世帯主の収入が大きいと、本人の国民健康保険の軽減は外れます。軽減(均等割などが2割・5割・7割減る)は、世帯主と加入者全員の所得の合計で決まり、世帯主が国民健康保険に入っていなくても(擬制世帯)世帯主の所得が合算されるためです。世帯主の給与収入が、東京の同じシフトの年収で約122万円(佐賀は約120万円)を超えると、軽減は外れます(政令の式による当メディアの計算。国民健康保険法施行令29条の7第6項1号。佐賀市・新宿区。新宿区の早見表は世帯全員が国民健康保険の世帯用で、世帯主が国民健康保険に入っていない世帯の基準額は表がなく、区は国保資格係への問い合わせを案内しています(判定の式は区の条例19条の2に書かれています))
- 世帯主の収入が小さい世帯は軽減があります。5割軽減なら、国民健康保険料は 東京 53,349円・佐賀 67,357円(平等割が掛からないとき 46,407円)で、国民年金保険料と合わせた負担は 268,389円・282,397円(同 261,447円)です(均等割を半分にして計算。佐賀は平等割も半分。子ども・子育て支援金分の均等割も軽減の対象です(新宿区は条例19条の2の5割で支援金分の均等割900円・18歳以上分37円、佐賀市は条例23条の5割で470円・30円を減額)。根拠は、新宿区の保険料が国民健康保険法施行令29条の7(5項・6項3号)、佐賀市の国民健康保険税が地方税法703条の5・同法施行令56条の89です)
国民年金の免除:免除は申請制で、本人・配偶者・世帯主の前年所得で判定します。同じシフトの年収では、本人の所得は全額免除の基準(扶養親族等がないとき 67万円)の内です(給与所得は 東京 617,259円・佐賀 642,039円)。免除になるかは、配偶者や世帯主の所得で決まります。一部免除(4分の3・半額・4分の1)には、配偶者が世帯主のとき、その給与収入が約141万円を超え約251万円までのときに当たる幅があります(目安の下限。扶養親族等・社会保険料控除により幅は動き、審査は世帯ごとなので、当たると言い切れません。日本年金機構)。この計算は免除なしです
手元に残るお金が130万円に戻る年収(年収 − 国民健康保険料 − 国民年金保険料 ≧ 130万円になる最小の年収。1円刻みで探した値)
| 同じシフトの年収 | 手元に残るお金が130万円に戻る年収 | 差 | 戻る年収の週の時間 | |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 1,357,259円 | 1,630,874円 | +273,615円 | 24.50時間 |
| 佐賀(平等割が掛かるとき) | 1,382,039円 | 1,657,418円 | +275,379円 | 29.11時間 |
戻る年収の週の時間は、通常の労働者が週40時間なら4分の3(週30時間)に対して、東京は 81.7%(24.50時間)、佐賀(平等割が掛かるとき)は 97.0%(29.11時間)です。4分の3以上で働くと、勤め先の人数に関係なく勤め先の社会保険に入ります(本論5)。
軽減なしの前提では、130万〜200万円の範囲で、年収が増えるほど手元に残るお金も増えます(東京・佐賀とも、74万円の控除で、1,000円刻みで確かめました)。
税を入れると(試算):所得税は、3つの道とも0円です(所得から社会保険料控除と基礎控除104万円を引くと0以下)。住民税は、標準の式(所得割10%・調整控除・均等割)で出した試算で、新しい時給で1年働く年(2027年)の所得で決まる令和10年度分(2028年度分)です。均等割は、東京が区3,000円+都1,000円+国の森林環境税1,000円の5,000円(新宿区の令和8年度の案内)、佐賀が市3,000円+県1,000円+国の森林環境税1,000円の5,000円です。佐賀県は県民税の均等割に森林環境税を年500円上乗せしていますが、県の案内で個人の課税期間が令和9年度までなので、令和10年度分には入れていません(令和8年度の佐賀の均等割は5,500円です)。所得割の率と調整控除は、新宿区・佐賀市・佐賀県の資料で標準どおり(区・市 6%と調整控除3%、都・県 4%と2%)です。国民健康保険料と国民年金保険料は社会保険料控除になるので、住民税が減ります。
| 130万円の内(元) | 同じシフト | 手元に残るお金が130万円のときと同じになるまで働く | |
|---|---|---|---|
| 東京:住民税(試算) | 約15,500円 | 約5,000円 | 約15,500円 |
| 東京:手元に残るお金(税を入れた・約) | 約1,284,500円 | 約1,050,334円 | 約1,284,501円 |
| 佐賀:住民税(試算) | 約15,500円 | 約5,000円 | 約15,500円 |
| 佐賀:手元に残るお金(税を入れた・約) | 約1,284,500円 | 約1,052,942円 | 約1,284,500円 |
税を入れると、同じシフトの手元に残るお金の減り(元の手元に残るお金 − 同じシフトの手元に残るお金)は、東京で 244,666円 → 約234,166円、佐賀(平等割が掛かるとき)で 242,058円 → 約231,558円と、約1万円小さくなります。向きは、調整控除の取り方が変わっても動きません。元の手元に残るお金に戻る年収は、税を入れても同じです(住民税の課税所得が元と同じになるため)。
40〜59歳の場合は、国民健康保険に介護保険料の分(新宿区 均等割17,800円・所得割2.43%・上限17万円/佐賀市 均等割10,700円・平等割5,500円・所得割2.1%・上限17万円)が加わります。東京(新宿区)では、39歳以下より国民健康保険料が 22,350円多くなります。国民健康保険料は 東京 109,235円・佐賀 129,710円、国民年金保険料と合わせた負担は 324,275円・344,750円、手元に残るお金は 1,032,984円・1,037,289円で、130万円に戻る年収は 東京 約166万円(1,664,210円)・佐賀 約169万円(1,688,229円)です(佐賀は平等割が掛かるときの額)。60歳以上は国民年金の保険料がなく、この記事の計算は59歳までです。
付くもの・付かないもの
- 基礎年金:第3号被保険者だった人が、扶養を外れて国民年金の第1号被保険者として保険料を自分で払った月は、第3号被保険者のときと同じく納付済期間に数えられます。払わなければ数えられません。全額免除・学生納付特例などの手続きをした月は別の扱いです(国民年金法5条1項・27条)。基礎年金の額は、納付済期間の月数で決まります。親などの扶養の19〜22歳の人は第3号被保険者になれません(同法7条1項)
- 傷病手当金:国民健康保険法58条2項が、市区町村が条例で定めれば出せる給付として名指ししています
- 出産手当金:国民健康保険法に、この名の給付はありません(58条2項は「その他の保険給付」を条例で出せると書いています)
- 上の2つ(傷病手当金・出産手当金)は、新宿区・佐賀市の国民健康保険条例の本則にありません。出産手当金の語は両条例にありません。傷病手当金は、新型コロナ分だけが附則にあり、支給の対象は令和2年1月1日〜令和5年5月7日の分に限られます
- 出産育児一時金:国民健康保険の被保険者が出産したときに出ます(国民健康保険法58条1項。「行うものとする」で、特別の理由があるときは全部または一部を行わないことができます)。新宿区は50万円(更新は2025年4月)、佐賀市は、産科医療補償制度に加入の分娩機関での在胎22週以降の出産なら50万円(それ以外は48.8万円。ほかの健康保険から出たときは国民健康保険料から出ない)です。協会けんぽでは、被扶養者が出産したとき、被保険者に家族出産育児一時金が出ます(健康保険法114条。区のページ・市のページ)
5. 勤め先の社会保険に入る道と、入ったときの保険料・付くもの
入る道は3つあります(勤め先を変えた場合も、変えた先が下のどれかに当たれば入ります)。
- 勤め先が51人以上(2027年10月から36人以上)で、週の所定労働時間が20時間以上、学生ではない(上の表)
- 勤め先が50人以下でも、勤め先が申し出れば入れます(任意特定適用事業所)。申し出るのは勤め先(事業主)で、働く人の同意(過半数の労働組合・過半数を代表する人など)を得ます。週20時間以上・学生でない人は、賃金に関係なく入ります。当分の間の規定です(厚生年金保険法附則17条・日本年金機構)。令和6年度末(2024年度末)の、短時間労働者のうち任意加入の事業所数は、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の注に 12,324(被保険者 12,006人)とあり、適用事業所 288.1万か所の約0.43%です(注の語は「任意加入の事業所数」で、例言の定義は、従業員数が50人以下で労使が合意した短時間労働者の事業所です。被保険者12,006人は事業所数より少なく、事業所の数え方は概況に書かれていません。分母の適用事業所には、51人以上の企業の小さい支店・店舗など、義務で入る事業所も含まれるので、任意に加入できる事業所の数ではありません。被保険者49人以下の事業所だけで割っても0.44〜0.45%です。日本年金機構・厚生労働省「業態別・規模別適用状況調」令和6・7年度 表3-(1))
- 週の所定労働時間と月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上(勤め先の人数に関係なく。厚生年金保険法12条5号)
本人の保険料(会社と折半)
本人の月の保険料 = 標準報酬月額 × 料率 ÷ 2
東京(年収 1,357,259円 ÷ 12 = 月 113,105円 → 標準報酬月額 110,000円):健康保険 110,000 × 9.85% ÷ 2 = 5,417.5円、子ども・子育て支援金 110,000 × 0.23% ÷ 2 = 126.5円、厚生年金 110,000 × 18.3% ÷ 2 = 10,065円。月 15,609円 × 12 = 年 187,308円。 佐賀(標準報酬月額 118,000円。健康保険の料率 10.55%):月 17,157.2円 × 12 = 年 205,886円。
付くもの
増える年金の年額 = 標準報酬月額 × 5.481/1000 × 再評価率 × 加入月数
110,000 × 5.481/1000 × 0.921 × 12か月 = 年 6,663円(月 555円ほど)。10年入ると年およそ6.7万円(66,634円)、20年で 133,267円、40年で 266,534円です。
- 傷病手当金・出産手当金:被保険者が受けられる給付です(健康保険法99条・102条)。1日あたり = 直近12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3(110,000円なら 2,447円。協会けんぽの端数処理)。傷病手当金は連続3日休んだ後の4日目から通算1年6か月まで、出産手当金は出産日以前42日から出産の翌日以後56日目までです。被扶養者は、条文の主語が被保険者で、受けられるとは書かれていません(協会けんぽ)。被扶養者が出産したときは、被保険者に家族出産育児一時金が出ます(健康保険法114条)。手元に残るお金が130万円に戻る年収(下の表)は、勤め先の社会保険に入った場合の値です。
手元に残るお金が130万円に戻る年収
| 同じシフトの年収 | 本人の保険料(年間) | 手元に残るお金 | 手元に残るお金が130万円に戻る年収 | |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 1,357,259円 | 187,308円 | 1,169,951円 | 1,524,000円 |
| 佐賀 | 1,382,039円 | 205,886円 | 1,176,152円 | 1,524,000円 |
(月の報酬を1,000円刻みで探した最小の年収。標準報酬月額の等級で階段状に動きます。1円刻みで探すと、標準報酬月額 126,000円の等級の保険料(年間)東京 214,553円・佐賀 219,845円を足した 東京 1,514,553円・佐賀 1,519,845円で、手元に残るお金が130万円に届きます)
6. 同じ年収で比べる:国民健康保険料+国民年金保険料と、勤め先の社会保険
同じシフトの年収で、どちらの保険に入るかで、額と付くものが変わります(東京/佐賀)。この表は、配偶者の扶養に入っていた人の場合です。
| 国民健康保険料+国民年金保険料 | 勤め先の社会保険(本人の分) | |
|---|---|---|
| 年間の保険料の負担(東京(新宿区)/佐賀(佐賀市)) | 301,925円/324,097円(佐賀は平等割が掛かるとき。掛からないとき 282,197円) | 187,308円/205,886円 |
| 手元に残るお金が130万円に戻る年収 | 約163万円/約166万円(佐賀は平等割が掛かるとき) | 約151〜152万円(東京 約151万円・佐賀 約152万円。月の報酬を1,000円刻みで探すと東京・佐賀とも 1,524,000円) |
| 将来の年金 | 基礎年金(国民年金の第3号被保険者だった人が扶養を外れて払った月は、第3号被保険者と同じく納付済期間に数える。額は月数で決まる)。親などの扶養だった20歳以上の人は、扶養のときから国民年金の第1号被保険者で本人が払っているので、基礎年金は扶養の前後で変わらない(学生納付特例などを除く) | 基礎年金に加えて、厚生年金(1年入るごとに年 6,663円) |
| 病気・出産のとき | 傷病手当金:市区町村が条例で定めれば出せる(国民健康保険法58条2項。新宿区・佐賀市の条例の本則にはなく、新型コロナ分の附則だけ)。出産手当金:国民健康保険法に名の給付はない(新宿区・佐賀市の条例にも語がない)。出産育児一時金:被保険者の出産に出る(新宿区・佐賀市は50万円。佐賀市は産科医療補償制度に加入の分娩機関の22週以降) | 傷病手当金・出産手当金(被保険者)。出産育児一時金:被扶養者の出産には、被保険者に家族出産育児一時金 |
| 当てはまる人 | 勤め先の社会保険に入らず、世帯主が会社員で、本人だけが国民健康保険(配偶者の扶養だった人) | 上の「入る道」のどれか |
- 同じシフトの年収(東京 1,357,259円)で比べた
- 手元に残るお金=年収−保険料
- 手元に残るお金が130万円に戻る年収は、1円刻みで探した値
- 配偶者が世帯主の会社員・39歳以下・軽減なし
- 税は入れていない。当メディアの試算
親などの扶養だった23〜39歳の人は、元の手元に残るお金が 1,084,960円で、同じシフトのまま勤め先の社会保険に入ると、東京 1,169,951円・佐賀 1,176,152円(元より 約8.5万円・約9.1万円多い)です。手元に残るお金は本人の分で、扶養している親などの税の変化は入れていません(佐賀は同じシフトでも年収が136万円を超えます。決まりは本論1)。
7. 19〜22歳(150万円の年収の線)の場合:同じシフトの年収と国民健康保険
19歳以上23歳未満の年収の線は、2025年10月から、130万円ではなく150万円です(本論1の表)。年収の線を超えると、扶養を外れて自分で国民健康保険に入ります。「同じシフト」は、前の時給で年収150万円ちょうどだった週の時間のまま働くことで、前の時給・新しい時給は、改定前・改定後の最低賃金です。線が150万円なので、同じシフトの年収は 150万円 × 新しい時給 ÷ 前の時給です(全国平均なら 1,500,000円 × 1,177 ÷ 1,121 = 約1,574,900円。表の東京・佐賀は、それぞれの都道府県の新旧の時給で計算)。前提は、世帯主が会社員で、世帯主と同じ世帯の本人だけが国民健康保険・軽減なし・39歳以下(本論4と同じ)です。一番右の列は、元の手元に残るお金に戻る年収です(元の手元に残るお金は、扶養のときの手元に残るお金です。19歳は 150万円、20〜22歳は 1,284,960円)。世帯主と別の世帯(一人暮らしなど)なら、国民健康保険の額は違います。
| 同じシフトの年収 | 国民健康保険料(年間) | 年収 − 国民健康保険料 | 元の手元に残るお金に戻る年収 | |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 1,566,069円(+66,069円) | 108,977円 | 1,457,092円 | 1,614,054円 |
| 佐賀(平等割が掛かるとき) | 1,594,660円(+94,660円) | 134,784円 | 1,459,876円 | 1,640,308円 |
150万円の内に収めるには、週の時間を 東京 22.54時間・佐賀 26.34時間以下にします(150万円 ÷ 新しい時給 ÷ 52週。同じシフトの週 23.53時間・28.01時間から、約1.0時間・約1.7時間減らす)。週20時間を超えるので、勤め先が50人以下などで勤め先の社会保険に入らない人の例です。
20歳以上は、親の扶養に入っていたときも、国民年金の第1号被保険者として、保険料を本人が払う決まりです(学生納付特例などの手続きをした人を除く)。19歳は、国民年金の第1号被保険者に入りません(国民年金法7条1項1号。勤め先の社会保険に入れば第2号被保険者で、年齢の下限はありません)。第3号被保険者は第2号被保険者(会社員・公務員)の配偶者だけなので、子は第3号被保険者になれません(同項)。どちらも、扶養に入っていた元の状態から国民年金保険料は変わらないので、比べるのは国民健康保険料だけです。上の表の年収 − 国民健康保険料は、19歳の同じシフトの手元に残るお金です。20〜22歳は国民年金保険料 215,040円を払うので、手元に残るお金は 東京 1,242,052円・佐賀 1,244,836円(元の手元に残るお金は 1,284,960円で、減る額は19歳と同じ 東京 42,908円・佐賀 40,124円)です。元の手元に残るお金に戻る年収は、19歳(年収 − 国民健康保険料が150万円になる年収)も20〜22歳(年収 − 国民健康保険料 − 国民年金保険料が 1,284,960円になる年収)も同じ(東京 約161万円・佐賀 約164万円)です。手元に残るお金は、本人の年収から本人の国民健康保険料と国民年金保険料を引いた額で、扶養している親などの税の変化は入れていません(決まりは本論1)。学生の国民年金の納付特例も入れていません。
言葉
扶養(被扶養者) 勤め先の健康保険の被保険者(配偶者・親など)に主として生計を維持されている人。自分では健康保険料を払わずに、その健康保険に入る。国民年金の第3号被保険者は、第2号被保険者(会社員・公務員)の被扶養配偶者(20歳以上60歳未満)で、保険料を自分では払わない。
国民健康保険・国民年金の第1号被保険者 勤め先の健康保険・厚生年金に入らない人が、市区町村の国民健康保険と、国民年金に自分で入る。保険料は自分で払う。国民年金の第1号被保険者は自営業の人や学生など、第2号被保険者は会社員・公務員(厚生年金の被保険者)、第3号被保険者は第2号被保険者の被扶養配偶者。
標準報酬月額 健康保険と厚生年金の保険料・年金の計算に使う、月の報酬を区切った額(等級)。
納付済期間・基礎年金 納付済期間は、国民年金・厚生年金の保険料を納めた月(第3号被保険者の期間も含む)の合計。基礎年金は、国民年金から出る年金で、額は納付済期間の月数で決まる。
傷病手当金・出産手当金・出産育児一時金 傷病手当金は、病気やけがで仕事を休んだときの給付、出産手当金は、出産で仕事を休んだときの給付(どちらも健康保険の被保険者向け)。出産育児一時金は、出産したときの一時金(国民健康保険は被保険者の出産に、協会けんぽは被扶養者の出産にも被保険者へ家族出産育児一時金)。
均等割・平等割・所得割 国民健康保険の保険料(税)の3つの部分。均等割は加入者1人ごとの定額、平等割は1世帯ごとの定額(佐賀市だけ)、所得割は所得に率を掛けた額。
再評価率 過去の標準報酬を、今の賃金水準に直すために掛ける率。毎年改定される(令和8年度の率 0.921)。
特定適用事業所・任意特定適用事業所 特定適用事業所は、勤め先が51人以上で、短時間で働く人も勤め先の社会保険の対象になる事業所。任意特定適用事業所は、50人以下でも、勤め先が同意を得て申し出て、同じ対象になる事業所。
擬制世帯 世帯主が国民健康保険に入っておらず(勤め先の健康保険に入っている)、世帯員だけが国民健康保険に入っている世帯。世帯主が納付義務者になる(新宿区)。
算定基礎額・総所得金額等 国民健康保険の所得割の基になる額。前年の総所得金額等(給与収入から給与所得控除を引いた給与所得など)から、基礎控除43万円を引く。
引上げ率・発効日 引上げ率は(新しい時給 − 前の時給)÷ 前の時給。発効日は、新しい最低賃金が効力を持つ日で、都道府県ごとに違う(10月1日〜12月2日)。
令和の年 令和8年度=2026年度、令和7年=2025年、令和9年=2027年、令和10年=2028年。
年換算 新しい時給が1年続き、今と同じ時間働くとした年収。実際の年収は、発効日が年の途中なら、その年は小さくなる。
前提と方法
1. 同じシフトの年収
同じシフトの年収 = 今の年収 × 新しい時給 ÷ 前の時給。47都道府県の前の時給・新しい時給は厚生労働省の答申状況(令和8年度=2026年度)。全国は労働者数で重みを付けた加重平均(1,121円 → 1,177円)。
2. 国民健康保険料・国民年金保険料の計算(当メディアの試算)
- 世帯:扶養している人(配偶者・親など。配偶者は会社員など〔第2号被保険者〕)と同じ世帯・その人が世帯主(会社員)・本人だけが国民健康保険・軽減なし。国民年金保険料が増える計算は、扶養している人が配偶者(第3号被保険者)の場合。39歳以下(介護保険料の分なし)。比べは本人1人の世帯(5割軽減)
- 所得:新しい時給で働く年の所得として、給与所得控除は最低保障の74万円(令和8年分(2026年分)・令和9年分)。料率は令和8年度のまま。令和10年分(2028年分)以後は控除が69万円に下がる(5万円減)。同じ式で69万円なら、同じシフトの国民健康保険料は 東京 92,175円(+5,290円)・佐賀 115,107円(+6,050円)、130万円に並ぶ年収は 1,636,790円・1,664,301円(検証官の再計算)。賞与・通勤手当などの非課税分はなし。端数処理は入れていない。扶養を外れた最初の年度の国民健康保険料は、前の年(元の時給)の所得で決まる
- 国民年金保険料:月17,920円(令和8年度)で、免除なし。その年に20歳になった人は、国民年金保険料を払う月数が少ない分、手元に残るお金が多くなる(減る額は同じ。結論の20〜22歳の行は、年のはじめから20歳以上だった人の額)
- 東京は新宿区の保険料。国民健康保険の計算の式は、新宿区の令和8年度の概算早見表(給与収入110万〜190万円の9行。軽減なし・加入者1人。令和7年分(2025年分)の所得)と、1か月あたり ±1円で一致する(控除の年を変えた本線は、この式で計算)。佐賀は佐賀市の保険税で、公的な試算表は見つかっていない
- 税(所得税・住民税)は、結論と本論4の表には入れていない。入れた試算は本論4の「税を入れると」。所得税は令和8・9年分の控除(基礎控除104万円)で全道0円。住民税は標準の式の試算で、住民税の非課税の線(年収119万円)は令和9年度分の値(130万円以上の道には効かない)。令和10年度分の非課税の線も年収119万円です(給与所得控除の最低保障74万円は令和9年度分・令和10年度分の住民税に適用され、基本額45万円は変更なし。総務省「地方税法等の一部を改正する法律の概要」p.1、令和8年度税制改正の大綱 地方税(1)②。69万円に下がるのは令和11年度分から)
3. 勤め先の社会保険の計算(当メディアの試算)
協会けんぽ 令和8年度(3月分)の保険料額表の折半額(健康保険・子ども・子育て支援金・厚生年金)。介護保険料の分なし・賞与なし。月の報酬 = 年収 ÷ 12 から標準報酬月額を決める。再評価率 0.921(令和8年度・昭和31年度以後生まれ)。再評価率は毎年改定される。将来の改定・マクロ経済スライドは入れない(令和8年度の値で固定)。
4. 断定できないこと
- 新宿区の擬制世帯の軽減の線:区の早見表は世帯全員が国民健康保険の世帯用で、世帯主が国民健康保険に入っていない世帯の基準額は表になく、区は国保資格係への問い合わせを案内しています。判定の式は、区の条例19条の2と、国民健康保険法施行令29条の7第6項1号(7割=43万円+10万円×(給与所得者等の数−1。給与所得者等が2人以上の場合に加える)以下、5割=さらに31万円×(被保険者数+特定同一世帯所属者数)以下、2割=同57万円×…以下。43万円は地方税法314条の2第2項1号)に書かれていて、この式を当てたのが当メディアの計算です(区の判定との一致は、新宿区国保資格係に問い合わせると分かります)
- 佐賀市で擬制世帯(国民健康保険に入っていない世帯主のいる世帯)に平等割(41,900円)が掛かるか:佐賀市の案内のページは、保険税を世帯単位で課税し、納税義務者を「世帯主(擬制世帯主を含む)」と書き、所得割額の注に「擬制世帯主分は除く」と書いています(平等割額は「1世帯当たり」の額で、除くとの記述はありません)。条例は、被保険者でない世帯主も「被保険者である世帯主とみなして」課税し(1条2項)、課税額の式(2条2項)は「世帯主(前条第2項の世帯主を除く。)及びその世帯に属する国民健康保険の被保険者につき算定した所得割額並びに被保険者均等割額及び世帯別平等割額」で、括弧は世帯主に付いています。減額(23条)は、被保険者均等割額に「被保険者(第1条第2項に規定する世帯主を除く。)1人について」と付け、世帯別平等割額には付けていません。条例の文面から言えるのはここまでで、擬制世帯に平等割を掛けるかを明言した文は条例にありません(市の運用は佐賀市に問い合わせると分かります)。この記事は、ここまでの条例と案内のページ・公表の資料を読んだ範囲で、擬制世帯に平等割を掛けるかを書いた文を見つけておらず、確かめるには佐賀市への問い合わせが要りますが、問い合わせていません。このため結論と表は、掛かるとき・掛からないときの2つを並べています。掛からないなら、国民健康保険料は 67,157円・国民年金保険料と合わせて 282,197円(109,057円と324,097円から平等割41,900円を引いた当メディアの計算)
- 新宿区・佐賀市の国民健康保険の傷病手当金・出産手当金:両条例の本則に定めがない(出産手当金の語は両条例になく、傷病手当金は新型コロナ分の附則だけ)。出産手当金は、国民健康保険法58条2項に名はありませんが、厚生労働省の「国民健康保険制度の概要」は「これらのほかに、出産手当金、傷病手当金等の給付を行うことができる」と書き、政府の答弁書(第210回国会 答弁第44号)は、条例又は規約の定めるところにより各保険者が行える任意給付としています(条番号を挙げた資料は見つかっていません)。新宿区は、条例(令和8年4月1日施行版)10条で出産育児一時金を50万円と定めています(区のページの更新は2025年4月で、金額は同じ)。佐賀市は、条例6条が48万8,000円、施行規則11条が1万2,000円の加算(健康保険法施行令36条ただし書の出産)で50万円です(健康保険法施行令36条は48.8万円に3万円以内の加算)。国の資料の「98.6%」は、新型コロナの特例のための条例を定めた保険者の割合で、平時の支給の有無ではない
- 被扶養者の傷病手当金・出産手当金:健康保険法99条1項・102条1項は、支給の相手を「被保険者」(99条は任意継続被保険者を除く)と書いています。「被扶養者は受けられない」と書いた一文はありません(被扶養者の出産には、被保険者に家族出産育児一時金)。
- 国民年金の免除の「前年所得」:全額免除は総所得金額等の合計(給与だけなら給与所得と同じ)、一部免除は社会保険料控除などを引いた額(国民年金法施行令6条の11・6条の12)。本人は自分の扶養親族等に入らず(国民年金法36条の3)、配偶者側の扶養親族等に本人が入るのは、本人の合計所得金額が58万円以下のとき。同じシフトの給与所得は 617,259円・642,039円で、これを超える。日本年金機構のページには書かれていない。免除の幅は目安の下限
- 新宿区・佐賀市の条例の5割軽減と、子ども・子育て支援金分の均等割(東京 1,873円・佐賀 1,000円):両方の条例が減額しています(新宿区 条例19条の2(2)ニ・ホ 900円・37円、佐賀市 条例23条1項(2)キ・ク 470円・30円)。根拠は、新宿区の保険料が国民健康保険法81条・同法施行令29条の7第5項・第6項3号、佐賀市の国民健康保険税が地方税法703条の5第1項・同法施行令56条の89第1項2号です(新宿区は保険「料」、佐賀市は保険「税」)
- 住民税の自治体ごとの上乗せ・調整控除の取り方:新宿区・佐賀市・佐賀県の令和8年度の案内と条例に、標準を超える税率の記載はなく、均等割の上乗せは佐賀県の森林環境税(令和9年度まで)だけです。東京都の4%と調整控除2%は、新宿区の案内の記載によります。令和10年度分の率と控除は、令和8年度と同じとして試算しています
- 契約の外の追加シフトが「時間外労働」(臨時収入)に当たるか、実際の労働時間に残業を含むか、扶養を外れる日付が上がった後の時給の契約の日か確認した日か:厚生労働省のQ&A(令和8年4月1日付の取扱い)は、Q1で「労働契約に明確な規定がなく労働契約段階では見込み難い時間外労働に対する賃金等」を臨時収入として年間収入に含めないと定め、Q9で契約の更新・条件変更のたびに書面を出すよう求めていますが、「追加シフト」の語はなく、時給が上がったときに扶養を外れる日付は書かれていません(保険者への問い合わせで分かります)
- 通知書などに賃金や労働時間を不当に低く書いていて取り消すとき、Q8-2 の「確認を行った日以降」か、Q8-3 の「認定時に遡る」か:Q&A に書かれていない(Q8 は取り消してよいとだけ書いている)
- 2027年度(令和9年度)以降の協会けんぽの再確認:令和9年度の案内は、2026年10月5日時点で出ていません(令和8年度は令和7年中の課税収入で決まる対象で、案内は令和8年8月に出ました)
- 任意特定適用事業所の数:概況の「任意加入の事業所数」12,324 は、例言の定義で、従業員数が50人以下の会社で働いていて社会保険に加入することについて労使で合意がなされている短時間労働者の「任意加入」の事業所の数です。同じ年度末の被保険者は12,006人で事業所数より少なく、短時間の被保険者が0人の事業所を含むか、1人を複数の事業所で数えているかのどちらかです(概況に数え方の記述はありません)
- 令和8年度の最低賃金の影響率:令和8年度の値は、中央最低賃金審議会の目安小委員会の資料(第2回 資料No.4・目安答申・別紙1・2・資料全体版)と答申状況(2026年9月3日)に出ていません。最新は令和7年度の27.7%(最低賃金に関する基礎調査〔事業所規模30人未満〕)と10.8%(賃金構造基本統計調査の特別集計〔5人以上〕)です
- 引上げ率が都道府県によって違う理由:まず目安がランクで違い(A 54円・B 56円・C 56円)、公益委員見解(別紙1)は、地域間格差の是正、賃金上昇率がC・B・Aの順に高いこと、B・Cで雇用情勢が相対的に良いことを理由に挙げています。そのうえで、答申額が目安を超えたのは33府県、目安どおりが14道都府県でした(答申状況の表を数えた)。目安を超えた県の答申の書き方は県で違い、佐賀(65円)の答申は、物価上昇が鈍化しても高い水準にあることと、最低賃金に近い水準で働く人の生活の厳しさを挙げ、鹿児島(64円)の答申は、金額と生活保護費との比較だけで、目安を超えた理由は書いていません。
- 就業調整をしている人の、勤め先の規模・週の時間別の数:探した範囲では見つからなかった(就業構造基本調査 2022年)
- 学生の国民年金の納付特例:本人の前年の所得が「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」以下なら、申請により在学中の保険料の納付が猶予されます(国民年金法90条の3・同法施行令6条の9、日本年金機構。基準は所得で、年収ではなく、家族の所得は問われません)。この記事の表には入れていません
- 健保組合の被扶養者の再確認:健康保険法施行規則50条は、保険者が毎年一定の期日を定めて被扶養者の確認ができると定め、対象の範囲は定めていません。対象の線は、たとえば協会けんぽ(本部・大分支部の告知)、出版健保(令和7年度)、神奈川県医療従事者健保(令和6年度)で違います。
出典(項目ごと)
- 最低賃金(令和8年度):厚生労働省 令和8年度地域別最低賃金額改定の答申状況(令和8年9月3日。別紙 001745621)
- 被扶養者の認定(130万円・150万円・180万円):厚生労働省 保発0704第2号(令和7年7月4日)・保保発1001第3号(令和7年10月1日)/日本年金機構「被扶養者の年間収入130万円」(更新 2026-05-01)/厚生労働省 Q&A(労働契約内容による年間収入・事業主の証明による被扶養者認定 A2-4)
- 被扶養者の再確認:協会けんぽ大分支部「令和8年度 被扶養者資格再確認」(令和8年8月)
- 派遣社員の勤め先(派遣会社):日本年金機構 年金Q&A「派遣社員の社会保険の資格取得」(https://www.nenkin.go.jp/section/faq/kounen/hihokensha/20140902-04.html)/厚生労働省「派遣労働者の皆様へ」7(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/haken/07.html)
- 短時間労働者の適用(週20時間・51人・学生・賃金要件の撤廃・任意特定適用):日本年金機構「短時間労働者の適用要件」(更新 2026-10-01)/厚生年金保険法12条5号・附則17条/同施行規則9条の6/令和7年年金制度改正法の概要(厚生労働省)/厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」PDF 7頁/厚生労働省 通知 保発0911第6号(令和8年9月11日。附則1条1項9号の施行期日を令和8年10月1日とする)/令和7年法律第74号 附則1条1項9号・第三条(厚生年金保険法12条5号のロを削る)・第三十三条(健康保険法3条1項9号のロを削る)
- 国民健康保険(入る人):国民健康保険法5条・6条・58条/国民年金法7条1項
- 国民健康保険の料率・軽減:新宿区「国民健康保険料の計算方法」(令和8年度)・減額基準額早見表・概算早見表/佐賀市「令和8年度国民健康保険税の算出方法」/国民健康保険法施行令29条の7第6項1号・地方税法314条の2第2項1号
- 国民年金の保険料・免除:日本年金機構「国民年金保険料」(令和8年度 17,920円)・「免除制度・納付猶予制度」/厚生労働省「令和8年度の年金額改定」p4
- 協会けんぽの保険料:協会けんぽ 令和8年度保険料額表(東京・佐賀)・子ども・子育て支援金の率/日本年金機構「厚生年金保険料額表」(18.3%)
- 厚生年金・基礎年金の額:日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」p5・p6/再評価率(令和8年度)
- 傷病手当金・出産手当金:協会けんぽ/健康保険法99条・102条/厚生労働省 事務連絡(令和2年3月10日)
- 税の線:国税庁 タックスアンサー No.1191・1195・1199・1410/令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし p2/総務省 個人住民税の基礎控除等について(令和8年5月29日)p35
- 就業調整・就業時間を増やしたい人:総務省統計局 令和4年就業構造基本調査(e-Stat 0004008205・0004008218)